2016/3/13 名古屋ウィメンズマラソン
田中智美レース後の会見
「小原さんに追いつかれたところは一番きつかった」
「監督がうるうるされていて、私もうわーっと涙が出てしまいました」
Q.レースを振り返って?
田中智美 スタートしてすぐから、たくさんの方が応援してくださって、涙が出そうになりました。応援のおかげで走ることができました。
山下佐知子監督 仕上がりは良かったので、それを出してほしいとひたすら思っていました。予定通りのレースができ、ホッとした気持ちです。
Q.3つの場面を振り返ってほしいのですが、30kmでキルワ選手がスパートしたところ、小原選手が追いついてきて並走になって尾崎好美さんが声をかけてくれたところ、最後のデッドヒートのところ、と何を考えていましたか。
田中 目標にしていたのは日本人トップではなく優勝だったので、キルワ選手が30kmから出るかな、と、ずっと後ろから見ていました。小原さんに追いつかれたところは一番きつかったのですが、ここであきらめては絶対にダメだと思いましたし、尾崎先輩の声が聞こえて、自分の走りは良いのだから大丈夫だと落ち着いて走れました。(最後の競り合いは)誰よりも私が、リオに行きたい気持ちが強いのだと自分に言い聞かせました。横浜国際女子マラソンでも同じシーンがありましたし、私が強いんだ、と。
Q.最後で、自分が絶対に勝てると思えた要素は? それでも足りないものがあると思ったところは?
田中 絶対に行けると思ったのは、私の応援が一番多いとわかったからです。足りなかったものは30km過ぎで、キルワ選手が出たところで着こうとしたのに、着ききれなかったところ。力不足だったと思います。パッと切り換えられたときに、すぐ後ろに着くスピードがなかった。
Q.70日間の豪州、ニュージーランドでの厳しい合宿、練習を、どう乗りこえてきたのですか?
田中 監督には本当に、すぐ脚が痛いと言ったりしてご迷惑をかけました。それでも上手く持ち上げてくれて、練習がダメだという気持ちにはならなかった。
山下監督 世界陸上に行けないことになって、選考レースは名古屋と決めて、長い1年になるとは覚悟しました。豪州、ニュージーランドだけでなく、田中の指導に専念させてもらうシステムを会社に認めてもらい、チーム内部でも理解してもらえた。(コーチを中心に駅伝の強化に取り組んだことで)私たちのサポートをチームがしてくれました。そこに尽きると思います。
Q.ゴールした瞬間、何を思ったのでしょう?
田中 監督に早く飛びつきたかったのですが、監督がちょっとうるうるされていて、私もうわーっと涙が出てしまいました。
Q.リオ五輪がどのくらい近づいたと思っていますか?
田中 今回は決まったと思っています。
Q.そう思える理由は?
田中 この名古屋に良いメンバーが集まり、そこで日本人トップを取ることができました。また、タイムも2時間23分台でしたから。
Q.1年間、ビールを我慢されたと聞いています。
田中 今日はもう、一番美味しいビールを飲めると思います。
Q.横浜の優勝時より、後半の強さが違ったと思いますが、どんな強化を?
山下監督 この1年間、後半のスタミナだけでなく、スピードもすべて強化してきました。9月のベルリンも練習の一環でした。脚の痛みもあり、内臓疲労も起こすほどやったことも、今日の結果につながったと思います。それは直近にはできないことなので、夏場に行いました。故障させたらかわいそうだな、という気持ちももちながら見守りました。
Q.2014年と15年では、心技体、どこが違いますか?
田中 ……すべて(笑)…違います。オリンピックに向かう気持ちが昨シーズンとは違いました。
山下監督 私は何も変わっていない、良い意味で変わっていないと思っています。練習で出されたことを忠実に行い、自身でも過不足なく努力してきましたし、そういうところの積み重ねが今日の結果につながりました。変わっていないと思います。
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